蹴球会議(レッズサポの独り言)
Amebaでブログを始めよう!

欧州各国の強豪チームによる日本遠征。レッズ対HSV、マリノス対ユベントス

チャンピオンズリーグ決勝の歴史に残る大逆転劇から一週間が過ぎ、欧州各国のリーグ戦も、先週末にはイタリアを除いた全ての国で閉幕を向かえた。(イタリアは、リーグ戦の全日程は終了したものの、ボローニャとパルマの2チームが勝ち点で並んだため、セリエA残留を賭けて、14日と18日にプレーオフを実施することになった。)


各チームにとって、オフシーズンとは、来期に向けてのチーム再編成や、タイトル獲得に向けた大型補強など、マネージメントのほうで忙しくなる時期でもある。

大物ベテラン選手の去就や、ビッグクラブが期待の若手を獲得に乗り出したなど、移籍情報の一挙手一投足が毎日のようにスポーツ新聞を賑わせ、サッカーファンの心を揺さぶり続けるのは皆さんもご承知のとおり。

しかし、オフシーズンだからと言って、サッカーシーズンが終りを告げたわけではない。

今週からは、ドイツワールドカップへ向けての最終予選が世界各地で行われるし、日本では、Jリーグのホームタウンやスポンサーなどが、高いお金を出して強豪クラブを招待し、ドリームマッチなんてものを開催したりしているのだ。


5月31日には、浦和レッズがブッフバルト監督のコネクションを用いてドイツのハンブルガーSVと、6月1日には横浜F・マリノスが、今年のセリエAを制した名門ユベントスとの親善試合を行った。

浦和対ハンブルガーは0-2で、マリノス対ユベントスは0-1で、どちらもJのチームが完敗を喫したわけだが、それなりに希望の光を見出すことができた、実りある試合内容だったと思う。


ハンブルガーは、ベルギー代表のエミール・ムペンザとファン・ビュイテン、10番でボスニア・ヘルツェゴビナ代表のバルバレス、イラン代表のマハダビキア、そして我らが日本代表の高原などが、ワールドカップ最終予選で抜けていた。

そのため、ベストメンバーが組めずに1.5軍といったメンバーで構成された浦和レッズ戦だったが、それでも、ドイツ特有の当りの強さや粘っこさを随所に見せつけ、貫禄の無失点勝利を勝ち取った。

この試合の見所は、去年の2ndステージ覇者で、日本でも指折りの攻撃サッカーを繰り広げる浦和レッズが、海外のチームに対してどの程度攻撃できるかであると思っていた。

しかし、試合が始まってみると、浦和の選手たちの、献身的で体を張ったディフェンスに目を奪われた。

ボランチに入った酒井と鈴木啓太や、センターバックの内館など、日本人の中でも大柄とは言えない選手たちが、デカくて大きい屈強なドイツ人たちに悠然と立ち向かっている姿は、日本サッカーの明るい未来を象徴しているかのように思えた。

特に、3バックの真ん中に入った堀ノ内は、ボディコンタクトでは負けていたものの、体を投げ出してボールをカットする回数が非常に多く、相手の攻撃の芽を確実に摘んでいた。

今日の仕事をコンスタントにできるようになれば、闘莉王がいない穴を補って余りあるだけの活躍ができるのではないだろうか。

さらに、攻撃に関しても試合内容はほぼ互角で、決定的なチャンスはむしろ浦和のほうが多かった。

前半の田中達也のシュートや、後半のエメルソンの突破など、浦和らしいスピード攻撃で相手のディフェンス陣を慌てふためかせのは収穫だったと言えよう。

しかし、随所随所では完全に技術で劣っているところも垣間見えた格好の浦和。

セットプレーでの2失点だが、高さでも完全に負けていた。

パスやトラップもそうだが、ボールキープにおける体の使い方やパス回しなど、見習う点も多いだろう。

浦和ファンとしては、今日の経験を生かして、今後のJリーグで飛躍することをを願ってやまない。

ナビスコカップ 予選リーグA組第4節 浦和レッズ対ヴィッセル神戸


□■□■□■□■□■□■□■結果□■□■□■□■□■□■□■


                合計 1 - 0


                前半 0 - 0
浦和レッズ                           ヴィッセル神戸
                後半 1 - 0


□■□■□■□■□■□■□■採点□■□■□■□■□■□■□■


浦和レッズ


23 都築 龍太 6.5 相手のシュートがほとんど飛んでこなかったため、決定的なシュートを止めたりといった目立った活躍はなかったが、危なげないプレーで勝利に貢献。無失点に抑えることで、次の試合に向けて気持ち良く終えることができた。


3 アルパイ 7 イエローカードをもらってしまったため、次節は出場停止となってしまった。そのために少し採点は低いが、それ以外はハイレベルなプレーを持続。ヘディングや一対一の強さもさることながら、攻撃への貢献度が高く、正確なロングフィードや効果的なオーバーラップで、相手を混乱させた。ゴール前で決定的なシュート場面を迎えるなど、攻撃参加に新しい驚きを加えた。


20 堀之内 聖 7 すっかりセンターに定着したか。闘莉王とは一味違った守り方でラインを統率。競合いには不安が残るが、技術を生かしてクリアを味方に繋げるプレーは、チームに安心感を与えている。攻撃参加もできるようになってきており、まだまだこれから伸びる要素があるのが頼もしい。


19 内館 秀樹 7 平川との相性が良いのか、なかなかに攻撃参加のタイミングが上手い。足元の技術に不安が見えるものの、そのタイミングの良さでボールを失うことがないのは高評価。無失点に抑えて、守備陣は大満足。


6 山田 暢久 6.5 後半途中に退いたが、それまで自分の仕事をきっちりこなしていた。最近は縦にいく動きよりも、中に切れ込むドリブルが多くなってきているので、縦に抜けてセンタリングを上げる姿が見たい。中に切れ込むならば、左足で打てるタイミングのときにシュートを打つべきだろう。


13 鈴木 啓太 7 少し攻撃のときにミスがあったが、相変わらず守備は上手い。レッズの守備の要は、間違いなく啓太だろう。中盤での献身的なプレス、両サイドのカバーリングなど、献身的にこなした。毎回のことだが、ドリブルを練習すれば、もう少し攻撃に参加できるはず。


17 長谷部 誠 7.5 決勝ゴールをアシストした岡野への、長距離スルーパスは圧巻の一言。インステップでバック回転をかけ、岡野が追いつくギリギリのところにボールを落とした。フリーキックも蹴って、ますますチームの主軸に収まりつつある。


14 平川 忠亮 7 前の試合に続いてのスタメン。内館のためにスペースを作る、フリーランニングの動きを精力的にこなしているところが良く目立った。平川が高い位置に上がることにより、相手のサイドハーフも下がらざるを得なくなり、内館が容易にボールをもてるため、攻撃に厚みが増した。


9 永井 雄一郎 6.5 ドリブルテクニックで幾つかのサプライズを演出したが、少し周りとあっていないところが目立った。平川へのスルーパスなども、コンビネーションの問題だろう。ただ、決定機を作る能力にも磨きがかかっているので、これからの飛躍に期待。


11 田中 達也 6 途中で横山と交代させられたのでプレー時間は長くはなかったが、消えている時間があって、少々印象に欠けるか。まだまだベストフォームには程遠いのか、シュートが入る気がしない。予選リーグが終わるまでに修正して欲しい。


10 エメルソン 7.5 今日のMVPはまたしてもこの男。後半ロスタイムに劇的な勝ち越しヘッドを決めて、ナビスコカップでは4試合連続ゴール。前半を0-0で折り返したことでイライラしたのか、後半始めは自己中心的なプレーに走ったが、徐々に落ち着きを取り戻したのは成長の証か。ただ、勝ち越しヘッドの前にも、ヘッドで得点するチャンスはあった。そこを決めれるようになれば、真のエースの誕生となるだろう。


27 横山 拓也 時間が短く採点できず。


30 岡野 雅行 時間が短く採点できず。エメルソンのゴールをアシストしたセンタリングは見事だった。




ヴィッセル神戸

選手がわからないため、採点できず。



□■□■□■□■□■□■□■総評□■□■□■□■□■□■□■


ナビスコカップは、ジュビロ磐田と横浜F・マリノスが、アジアチャンピオンズリーグに出場している関係で、予選免除となる。

そのため、予選リーグを勝ち抜けるチームは6チームしかない。

A~Dの各組のうち、1位は自動的に決勝トーナメントが決まる。

そして、各組2位のうち、勝ち点の多い上位2チームにも決勝トーナメント行きの切符が与えられるという仕組みだ。


予選リーグA組第4節は、ここまで3連勝の浦和レッズと、3連敗のヴィッセル神戸の戦いとなった。

この試合に勝てば、ほぼ決勝トーナメント進出が決まる浦和。

一方、予選敗退がほぼ決まったかに見える神戸も、3連勝で奇跡の予選突破に一縷の望みを繋ぎたいところ。


前半の立ち上がりから浦和ペースで試合は進む。

両サイドの平川と山田が高い位置に張って、サイドから崩しにかかる。

両サイドハーフが上がったスペースを、内館とアルパイが積極的に使って攻撃参加するものの、二人とも効果的なクロスを上げることができず、試合はこう着状態へ。

神戸の攻めには脅威を感じることはなかったが、浦和のほうも主導権を握りながらも決定機を作ることができなかった。


ボール支配率で勝りながらも、点が取れないという今の浦和の状況は、今年のJリーグ開幕当初に似ている。

あの頃はディフェンス陣も安定せず、勝てない試合が続いた。

見ているこちら側からすれば、フラストレーションの溜まるもどかしい内容ばかりだった。

しかし、ここ最近で、堀之内がすっかり守備の要に定着し、闘莉王がいない中でもラインに穴がなくなった。

6試合で1失点、しかもその1点はPKと、数字に関しても大満足だ。

守備が安定してきたことにより、攻撃陣も攻めることに専念できる下地ができたのは間違いない。

この試合でも、後ろがしっかりしてきたことで、後半はリスクを冒した攻めにも勢いがでていた。


しかし、後半開始後しばらくは、エメルソンの悪い癖が出て攻撃にリズムがない浦和。

エメルソンは、得点のチャンスがなかなか生まれない膠着状態になったとき、ボールを持ちすぎる悪い癖がある。

簡単に後ろに下げて試合を作り直せば良いのに、ドリブルで相手を抜こうとして取られることがあまりに多い。

そこからのカウンターで何度かピンチを迎えたが、その危機を難なく乗り切った浦和は、再び攻勢に出た。

後半途中で、チャンスで決められない深刻な病に陥っている田中達也を早々に諦め、期待の若手横山を、そして右サイドには山田に代えて岡野を投入したブッフバルト監督。

この起用が見事に当たり、プレー時間は短かったものの、岡野が結果を出した。

レッズファンの誰もが引き分けを覚悟した後半ロスタイム。

自陣のペナルティエリア付近からドリブルを開始した長谷部が、右サイドを駆け抜けた岡野に、素晴らしい長距離スルーパスを出し、それを受けた岡野が絶妙のセンタリングを中に上げた。

中では、一旦ディフェンスの前に入ろうとしたエメルソンが、後ろにひいて巧みにマークを外し、フリーでヘディングをネットに突き刺した。



これでナビスコカップ4連勝が決まった浦和。

他チームとの兼ね合いもあるが、ほぼ予選リーグ勝ち抜きを決めた形となった。

次節は、大宮アルディージャでのアウェー戦だが、若手を中心にした布陣で臨むのか、それともベストメンバーで闘うのか。

埼玉ダービーだけに、ベストな布陣で闘って欲しいものだ。

キリンカップ2005 日本対UAE


□■□■□■□■□■□■□■結果□■□■□■□■□■□■□■


                合計 0 - 1


                前半 0 - 0
日本                               UAE
                後半 0 - 1


□■□■□■□■□■□■□■採点□■□■□■□■□■□■□■


日本


23 川口 能活 5 失点場面は、明らかに相手のシュートテンポを読みきれていなかった。シュートの威力は弱く、ゴロだったのだから、きっちり止めて欲しいところだ。調子の良いときの川口であれば、あのテンポに対応してきっちり止めていたはず。まだまだ改善の余地あり。


2 田中 誠 5 最近はすっかり右のセンターバックに定着して、そつなくこなしている。この日も特に目立ったミスもなく、無難な出来。攻撃参加が少ないのが修正点か。加地を追い越してボールをもらえるようにしたい。


5 宮本 恒靖 4 失点シーンは、相手FWに坪井と田中の二人がマークについていたため、宮本一人が最終ラインを形成するという失態をおかした。スルーパスを出されたのも、宮本が左のスペースを埋めていなかったから。あそこは田中にマークをまかせ、坪井と二人で最終ラインを形成し、二人の距離感を縮めるのが普通だろう。ディフェンスラインを低くしすぎて、中盤が間延びする原因にもなっていた。相変わらず一対一も弱く、競り合いで負けたりドリブルで抜かれたりで不安が拭いきれない。


26 坪井 慶介 4 失点シーン以外はきっちり抑えていたが、相手FWに田中と二人でプレッシングにいくという最大のミスをした。いつもの坪井なら、それでも持ち前のスピードできっちりカバーに間に合ったはず。後半になると動きが落ちるのが目に見えてわかるので、まだまだ代表に呼ぶのは早いだろう。


14 三都主 アレサンドロ 5.5 前半は高い位置をキープして、小笠原とのコンビネーションで何度も崩していたのだが、後半は4バックにしたため、少し攻撃参加がなりを潜めたか。三都主のサイドバックは、アーリークロスを上げれる回数が増えることは凄く良いことなのだが、サイドハーフを飛び越えてボールをもらう回数が少ないのが難点だ。


15 福西 崇史 5 小野とのコンビを久しぶりにみたが、見事に影に徹していた。福西の良いところは、シンプルで無理をしないところなのだが、無理をしないことが逆に攻撃のテンポを遅らせている原因にもなっている。少し後ろに下げる回数を減らしたほうが良い。失点シーンは、福西がさぼっていたことによって生まれたと言っても過言ではないので、きっちりプレスをかけてほしい。


8 小笠原満男 5.5 三都主とのコンビが成熟してきたようだ。前半は二人で何度もサイドをえぐってチャンスメーク。後半は4-4-2のボックスになったために、三都主との絡みが少なくなってしまったが、4バックに変えた後も同じようなプレーを続けられれば、レギュラーの道も近くなるはず。


18 小野 伸二 7 完全にチームの主軸としてプレーしていた。ボランチとして攻撃を組み立てていたかと思えば、小笠原とポジションチェンジをしてトップ下の位置まで上がり、積極的にシュートやラストパスを繰り出していた。後半、4バックにして本山と稲本が入ってからは、中盤4人全員が同い年でユース年代から一緒にプレーしていたこともあり、コンビネーションもぐっと良くなった。


21 加地 亮 5.5 ペルー戦の三浦淳のプレーに刺激されたか、プレーエリアがいつもより横に広かった。4-4-2のサイドハーフに近い動きをしていて、ボランチとトップ下のカバーリングもできていたのが好印象だった。だが、攻撃のときは縦一辺倒が変わらず、向上する余地はたくさんある。


11 鈴木 隆行 5 チェイシングしてボールを取ってしまうのはさすがだが、前を向く動きが少ないのはやはり不満。次戦も先発が濃厚なだけに、シュートで終わるという意識を持ってプレーしてもらいたい。


31 大黒 将志 5.5 前を向いてボールをもらう動きが、小野や小笠原のパスセンスを引き出していて好印象。だが、つまらないミスが多く、まだ満足いかない出来か。シュートの意識はすごく良いので、後はその回数を増やすだけ。


28 玉田 圭司 5 スピードを生かしたドリブルで一度チャンスを作ったが、それ以外は目立った動きなし。左側を向いてプレーすることが多く、右サイドを有効に使えるようになれば、もう少し相手を混乱させることができるのだが。


19 本山 雅志 5.5 後半途中からの投入だったが、小野、小笠原との相性の良さを改めて実感させた。4-4-2のボックス型の中盤は、小笠原とともにチームでやっているので、サイドに開いたり小笠原と小野とポジションチェンジをしたりして、相手の中盤を混乱させた。


25 茶野 隆行 時間が短く採点できず。


29 稲本 潤一 時間が短く採点できず。




UAE

選手がわからず採点できず。


□■□■□■□■□■□■□■総評□■□■□■□■□■□■□■


試合前に、UAE戦に向けての課題や意識の統一を見直した日本代表。

しかし、会見でジーコの口から発せられた言葉は、自分達のサッカーを壊してまで相手に合わせるという、今までの試合では一度も見たことのない消極的で守備的な試合展開。

守備的に戦う日本が、カウンターを得意とする相手にどうやって戦うのか、この試合はそのテストマッチとなった。

対するUAEは、2006年のワールドカップ出場の夢をすでに絶たれ、2010年に向けてのチーム強化を図っている最中だ。

その第一歩がこのキリンカップである。

ペルーと引き分けたため、日本に勝てば優勝が決まることもあって、この試合に対する意気込みは高い。



試合開始から、日本が主導権を握る。

加地が中に絞りながらディフェンスをしたり、福西と小野がラインを揃えたりと、守備の際には最善の注意をして相手のカウンターにそなえた。

小野と小笠原は、ワールドユースの頃からボランチとトップ下という関係でプレーをしており、連携は抜群だった。

ときどきポジションチェンジをしながら相手ディフェンスを崩し、決定的なパスを連発。

小笠原と三都主のコンビネーションもかなり良くなり、左サイドの攻防は完全に日本のものだった。

しかし、相手もときどき見せるカウンターは脅威で、そのたびに日本のディフェンスは慌てていた。

宮本は、相変わらずラインをずるずると下げ、つられてボランチの二人とサイドハーフも後ろに下がり、あっという間にペナルティエリア付近に相手の侵入を許すという消極的なディフェンス。

試合前のジーコの会見が裏目に出ているのが手に取るようにわかる。

前半は日本がおしていたものの、決定的なチャンスはUAEのほうが多かっただろう。


後半は中盤が間延びして、相手の攻撃もカウンターというよりは遅攻になり始めていた。

中盤のプレスが甘いために、簡単にサイドチェンジを許し、加地と三都主が守備に奔走させられる。

失点のシーンは、福西のプレスが甘かったために相手フォワードにくさびのパスが入ってしまい、しかもそのフォワードに田中と坪井の二人がいってしまい、最終ラインが宮本一人になってしまった。

そのため、三都主がそのポジションを埋めに走ったが、相手のほうが先にそのスペースを使い、失点へと繋がった。

失点後は、4-4-2のボックス型へとシステムを変更して、1点取りに出る。

玉田、本山、稲本と攻撃の選手を次々に投入した。

本山が入ってからは、小笠原、小野と3人で、激しいポジションチェンジを繰り返し、完全に中盤を支配し、得点への期待が高まるが、フィニッシュまでが遠く、同点弾は生まれなかった。

大黒が一番得点の期待を感じたが、最高の決定機を外したのも大黒だった。

Jでのパフォーマンスを見られるのは、もう少し先なのだろうか。 



守備的にいくと宣言したジーコ監督。

この結果を受けて、バーレーン戦をどう戦うのだろうか。

結果が出てくれたのならば、それをそのまま次の試合に生かせば良いのだが、最悪の結果となってしまっただけに、深い迷路に迷いこんでしまった。

日本の迷走は続く。

チャンピオンズリーグでのリヴァプール優勝が引き起こした矛盾

5月25日、トルコのイスタンブールで、今年のヨーロッパチャンピオンが決定した。

3-3の同点でPKまでもつれ込んだこの試合は、GKイエシー・デュデクの大活躍で、21年振りにリヴァプールが優勝となった。

チャンピオンズリーグ史上稀にみる好ゲームで、世界中のファンは大満足だったに違いない。


しかし、リヴァプールが勝ったことによって、新たな問題が生じたのである。

それは、チャンピオンチームが来年の大会には出られない、という珍事だ。

プレミアリーグは、上位4チームまでが来期のチャンピオンズリーグの出場権を獲得できるのだが、リーグ開幕当初にいきなり躓き、そのまま波に乗れずにシーズンを終えたリヴァプールは、出場権に後一歩届かずの5位だった。

残念ながら、来年の出場権を逃してしまったというわけだ。

イングランドサッカー協会は、準決勝のリヴァプール対チェルシー戦が終わった後から、UEFA(欧州サッカー連盟)に対して何度か、「リヴァプールが優勝したら、来期のチャンピオンズリーグにイングランドから5チーム出場させて欲しい。」という通達を出していた。

しかし、この申し出がまかり通ることになれば、どこかの国の出場枠が一つ減ることになる。

それはどう見てもおかしい。

仮に出場枠を減らされる国が出るとすれば、これほど理不尽なことはない。

せっかく長年に渡って作り上げてきたチャンピオンズリーグという偉大な大会のルールと伝統を覆すことになるのだ。

当然のことながら、UEFAの返事はノーだった。

連覇、タイトル防衛という偉業を成し遂げるチャンスを逸したリヴァプール。

しかし、そんなリヴァプールに、神の声とも言うべき発言が続々と飛び出した。


UEFAの広報責任者、ウィリアム・ゲイラード氏は、BBCのラジオ・ファイブでのインタビューで、
「規則は規則として決まっている通りだ。2000年にレアル・マドリーがチャンピオンズリーグに優勝し、国内で4位に入れなかった際にはすでに“ワイルドカード”が適用された。決断するのは難しいが、われわれが決めることではない。決めるのはイングランドサッカー協会だが、リバプールに出場権を与えるのであれば、エバートン(プレミアリーグ4位)を外さなければならない。」

つまり、イングランドサッカー協会が、エバートンではなく、リヴァプールを出場させると言い出せば、それを容認する姿勢があると言っているのである。

だが、エバートンは、チーム創設以来はじめてのチャンピオンズリーグ出場を決めたばかり。

もし仮にリヴァプールに出場権を奪われるようなことがあれば、本場のフーリガンが黙ってはいないだろう。

元々、エバートンとリヴァプールはライバルチームで、サポーター同士のいざこざも耐えない。

この問題についての解決策を模索することは非常に難しいだろう。

しかし、その問題を一挙に解決する驚くべき発言がまたもや飛び出した。

ウェールズリーグ王者のランサントフレイドのマイク・ハリス会長が、
「われわれと試合をして、リバプールが勝ったらチャンピオンズリーグの予備戦1回戦への出場権を譲り渡そう。」

と、事実上のチャンピオンズリーグ出場権譲渡の意思を明らかにしたのである。

もちろん、試合をして勝ったら、という条件つきであるが、ウェールズのチャンピオンチームに負けるようでは、出場しても恥を晒すだけだ。

きっちりと勝たなければ話にならない。




この申し出が了承されるかはわからないが、今後の動向が非常に気になることは確かだ。

最終的な決定は、6月17日に行われる、UEFA実行委員会で決定される。

その決定を楽しみに待とう。

キリンカップ2005 日本対UAE 試合前の疑問

昨日、キリンカップ対UAE戦に向けての記者会見で、ジーコはこんな発言をした。

「UAE戦はリスクをいつもより冒さず、陣形を固めながら勝ちを狙う試合をする。バーレーン戦を想定する。」


空いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう。

バーレーン戦は引き分けでも良いと言っているようなものである。

勝ちにいっても勝てなかったペルー戦の教訓が何も生かされていないではないか。

攻めに攻めたあの試合で1点も取れなかったのだから、守備を意識した攻撃で点が取れるはずがない。

そもそも攻撃とは、ある程度のリスクを背負って、人数を費やして仕掛けるからこそ、相手にとって脅威となりうるのであって、リスクをおかさない攻撃など、毒針のなくなったスズメバチと同じである。

相手にとどめを刺す武器を自ら封じた日本代表は、どんな攻撃で相手の息の根を止めるのだろうか。

仮にUAEに勝っても、肝心のバーレーンに引き分けてしまっては、ドイツ行きが危うくなる。

現在、最終予選での日本の勝ち点は6、バーレーンは4である。

イランにホームで勝てる保証がない以上、当面のライバルであるバーレーンを叩いておくことが、今後のドイツ行きを大きく左右すると思うのだが。


今日の試合内容によっては、ジーコ解任騒動が起こってもおかしくない。


日本協会が、怪我の高原の代わりに柳沢を追加召集

高原は重症だった。

21日のブンデスリーガ最終戦で、左太もも裏の肉離れを起こし、負傷退場した高原。

当初、チームドクターの発表では、肉離れは軽症で、全治2週間くらい。

ワールドカップアジア最終予選には出場可能、という診断だった。

しかし、帰国した高原は、左足を引き摺って歩いていた。


帰国後すぐに日本代表に合流した高原だが、24日午前の日本代表チームドクターによる診察で、左ハムストリング肉離れの重症と診断された。

完治にかかる日数は明言されなかったが、日本サッカー協会(JFA)が代わりに柳沢を召集したことで、最終予選は絶望的と判断して良いかもしれない。


しかし、柳沢が召集されたことは、個人的に非常に残念だと思う。

以前にも書いたが、柳沢は、ユベントスに帯同して日本ツアーに参加するはずだった。

ユーべの柳沢が見れる一生に一度の大チャンスかもしれないのだ。

柳沢にとっても、名門ユベントスに移籍できるかもしれない絶好のアピールの場。

その機会を逸してしまったのは、やはり勿体ないとしか言いようがない。


しかし、そんなことよりも、何故柳沢なのか、と声を大にして言いたい。

柳沢が所属するメッシーナは、セリエA残留を早々と決めていて、リーグ戦残り一試合は消化試合である。

そのため、試合にあまり出ていない柳沢を代表に召集することは、比較的容易である。

3月25日のイラン戦でも、鈴木の怪我によって追加招集されたのは柳沢だった。

肝心の試合にも後半途中から出場して、好プレーを披露したことは記憶に新しい。

だが、もっと結果を出している選手がいるではないか。
ご存知大久保である。

ここ2試合で7得点したマジョルカであるが、そのうちの2点が大久保自身によるゴールで、アシストも3つ記録している。

つまり、7点中5点に大久保が絡んでいることになるわけだ。

この結果だけを見れば、絶対に召集されるべき存在であることは確かだ。

だが、ジーコは呼ばなかった。

JFA曰く、大久保は、まだジーコの信頼を回復するまでには至っていないようだ。

一体どれだけの活躍をすれば、ジーコの心を動かせるのだろうか。


去年、J 2降格というがけっぷちにいたセレッソ大阪を残留させたのは大久保である。

今年、2部に降格確実とまで言われたマジョルカを、残留圏内に引き戻したのも大久保である。
得点力不足に悩む日本の救世主として、ジーコが今一番欲しいタイプの選手が大久保ではないのか。

仮に使わないとしても、その活躍を聞いて、調子を見るために代表に呼んでも良いように思う。

もしかしたら、マジョルカのチーム事情を考慮して呼ばなかったのかもしれないが、スペインリーグは、29日に最終戦が終わる。

次の日に急いで合流すれば、少なくとも7日の北朝鮮戦には間に合うだろう。

少々日程的には辛いものがあるが、スタメンで起用しなくても、ジョーカーとしてベンチに置いておくこともできる。

会見で代表の得点力不足を嘆く前に、大久保の動きを自分の目で直接スカウティングしてみる行動力が、ジーコには必要なのではないだろうか。





キリンカップ2005 日本対ペルー

ドイツワールドカップ、アジア最終予選を直前に控えた最後のテストマッチ。

それが今回のキリンカップの目的である。

相手は、南米予選で10チーム中8位と低迷しているペルーと、アジアの一次予選で敗退が決まったUAE。

言うなれば、両チームとも格下の相手だ。

最終予選を気持ち良く迎えるためにも、圧倒的な力の差をみせつけて欲しい。

しかもペルーは、ディフェンスのロドリゲスが唯一南米予選のブラジル戦でプレーしただけで、ほとんどの選手が初代表である。

二軍と言っても過言ではないペルー相手に、1.5軍の日本はどうゆう試合展開を見せるのだろうか。




□■□■□■□■□■□■□■結果□■□■□■□■□■□■□■


                合計 0 - 1


                前半 0 - 0
日本                               ペルー
                後半 0 - 1


□■□■□■□■□■□■□■採点□■□■□■□■□■□■□■


日本


23 川口 能活 5.5 最後に失点したが、あれはキーパーのミスではない。あまりシュートを打たれなかったため、試合のリズムに乗りにくかったはずだが、たまにある相手のチャンスを落ち着いて対処した。


2 田中 誠 5.5 一対一で一度も抜かれなかったのは好印象。最終ラインでボールを回すときに、足元が落ち着かず少々不安を感じさせたのはよろしくない。最終ラインでボールを回すことが、チームの足を引っ張っているようでは、日本のポゼッションサッカーは意味のないものになるだろう。


5 宮本 恒靖 4.5 危険な場面は失点した場面だけだったが、あそこで失点しては元も子もない。なぜあそこで中を切らずに縦を切ってしまったのか。相手のドリブルに対するプレッシャーも甘く、楽々とスルーパスを出させてしまうのだから、この評価も致し方ない。また、ボール回しのときに、無意味にボールをこねるのはやめて欲しい。相手のプレッシャーがきつくなり、何度かピンチを招いている。それ以外も、ラインを下げすぎて中盤が間延びしている時間が多く、印象はかなり悪い。


26 坪井 慶介 5.5 田中と同じく、一対一では一度も抜かれなかった。センタリングも上げさせず、守備は満足。田中、宮本と共に、最終ラインでのボール回しに難があるので、足元の技術を練習して欲しい。


17 三浦 淳宏 6.5 今日一番の出来だろう。本来のポジションとは違う右サイドに入ったが、両足を使えるメリットを生かしてサイドを切り裂いた。右で駄目なら左に持ち替えてセンタリングできるのが大きな強み。今日の出来を維持できれば加地をベンチに追いやること間違いなし。ただ、欲を言えば、田中の上がれるスペースを作るフリーランニングの動きが足りなかった。足元にボールをもらいすぎる癖を直して欲しい。


14 三都主 アレサンドロ 6 相変わらずのポテンシャル。相手センターバックが大きいため、味方に繋がるクロスはほとんどなかったが、それでもセンタリングの精度は抜群。守備でも、相手カウンターへのプレッシングをしに逆サイドまで走るなど、スタミナを生かした幅広い守備でチームに貢献。危ない場面もなく、上々と言えるだろう。


15 福西 崇史 5.5 宮本が上がったときの最終ラインのカバーなど、今日は主に守備で活躍。だが、宮本が上がるより福西が上がるほうが得点の期待は高いのだから、宮本を静止させてでも自分が行くべきだろう。


4 遠藤 保仁 6 久しぶりのスタメンとなったが、惜しいミドルシュートを何本も放つなど、能力を発揮。ときたま前線に顔を出し、相手の脅威となった。守備でも、福西と呼吸を合わせてファーストプレッシングで相手をスピードダウンさせた。


8 小笠原満男 5.5 何本か決定的なパスを出せるチャンスがあったが、上手く合わなかった。鈴木の右足シュートへのパスが今日唯一成功したスルーパスか。守備は良かったが、攻撃のコンビネーションがいまいちで、2トップとの距離が少し離れていた。2トップに近づくためにも、ドリブルで相手を崩すなどの強引なプレーが欲しいところか。


11 鈴木 隆行 5 足元へのくさびのパスがほとんど入らず、前線で孤立。ボールキープ力はさすがだが、仕掛ける気持ちを見せないだけに、相手は守りやすかっただろう。身長で勝てなかった分、足元で打破して欲しかった。


28 玉田 圭司 5 得意のドリブルで相手をかわすのはお見事だが、あまり低い位置で相手をかわしても意味がない。もっと前線でタメを作れるようにならなければ、得点に結びつけることは難しいだろう。


31 大黒 将志 5.5 急遽交代出場となったためか、入ってしばらくは足元にボールが落ち着かず、ミスを連発。試合終了が近づくにつれ、流れに加われるようになったが、それでもまだ物足りない出来。及第点だが、クラブチームでの勢いを見せ付けることはできなかった。


29 稲本 潤一 6 福西に代わって出場したが、福西よりも機能していた。福西が後ろに下がってボールを回していたのに対し、稲本は積極的に高い位置に上がって相手の中盤を押し下げることに成功。中盤でのパス回しをスムーズなものにした。シュートも打って、復調間近か。


19 本山 雅志 5.5 フォワードというよりは、小笠原との2シャドーと言ったところでの出場となったが、持ち味のドリブルとテクニックでボールを失わなかった。欲を言えば、交代出場で入ったのだから得点を取りにいって欲しい。シュートゼロは頂けない。




ペルー


選手の区別がつかなかっために採点できず。



□■□■□■□■□■□■□■総評□■□■□■□■□■□■□■


開始直後はペルーペース。

日本は、宮本、田中、坪井の三人のボール回しが慌しく、相手2トップのプレッシャーに細かいミスを連発。

宮本に至っては、余計なボールタッチで相手のプレッシャーをもろにうけ、あわや一対一になるかと思われるようなパスカットもされた。

宮本の悪い癖は、妙なプライドと勘違いで、自分は上手いと思っているところである。

2003年のコンフェデレーションズカップ、対コロンビア戦での致命的なミスを忘れたのだろうか。

これは松田にも言えることだが、ディフェンスはセーフティーなプレーが一番大事なのだから、余計なプレーをして再び失点するようなことがあれば、今すぐ代表から外して欲しいものだ。

坪井は、足元の技術がおろそかなのはわかっていることなので、これからは足元を磨いていくことが必要だろう。

今では不動のレギュラーになった中澤も、オリンピック代表当時は下手くそで有名だったが、今では安心して見ていられるほどの技術を見につけた。

一対一には絶対の安心感がある坪井なのだから、攻撃面での成長が、今後代表に定着するかどうかの鍵を握るだろう。


前半開始直後のペルーの激しいプレッシャーを乗り切った日本は、徐々にペースを掴んでいった。

三都主、三浦が両サイドを果敢に攻め上がり、効果的なクロスを何本も供給。

相手センターバックの高さには敵わず、ことごとく跳ね返されてしまったが、時折低いクロスもまじえていけば、攻撃のバリエーションはグッと広まるだろう。

満足できる攻撃だったが、強いて言えば、三浦はフリーランニングの動きが足りない。

前や後ろが詰まっているのであれば、相手ディフェンスをひきつれてスペースを作ってやることも大事だ。

そうすれば、田中が攻撃に加わることができ、攻撃により厚みが増したはず。

三都主もあまりできていないが、それでもスペースを作る動きは何度かあった。

坪井が、そのスペースを生かせなかっただけだろう。



後半は完全に日本ペース。

特に、福西に代わって稲本が入ってからは、完全に日本が試合の主導権を握った。

稲本が高い位置に上がることにより、相手の中盤が守備に釘付けとなったのが大きい。

おかげで、三都主と三浦も高い位置でプレーできるようになった。

大黒は、玉田の怪我により急遽交代出場となったのが響いてか、投入直後はミスを連発。

しかし、試合が進むにつれて徐々に前を向いてボールをもらえるようになり、得点の香りを感じた。

後はそこからシュートを打てるようになれば、期待はもっと膨らむのだが。


しかし、圧倒的なボール支配率で後半を支配した日本だったが、ロスタイムにペルーのカウンター一発で失点してしまう。

圧倒的に試合を有利に進めていただけあって、この失点は勿体なさすぎる。

失点の場面は、宮本の対応ミスが大きく目立った。

3対3の状況になってしまったのだから、相手のプレーを遅らせる適度なプレッシャーと、中にパスを出させないポジショニングを瞬時にとるべきだった。

しかし宮本は、ボールをもったチロケに対して、ズルズルと下がって縦を切るばかり。

あれでは簡単にスルーパスを出させてしまうのは当たり前である。

あそこを防げないようでは、3バックの真ん中は務まらない。

ガンバ大阪で試合に出れていない宮本では、そのあたりの対応が上手くできなくても当たり前だ。

ジーコは、そろそろ宮本に代わる代役を探すべきだろう。



ロスタイムの失点で0-1という不甲斐ない敗戦を喫した日本。

次の試合のUAE戦に勝っても、キリンカップでの優勝は難しくなった。

本番はワールドカップの最終予選なだけに、次の試合をステップアップと考えて、気持ちを切り替えて望んで欲しいものだ。

次の試合も満足の行く結果にならないとしたら、日本のワールドカップ出場に黄信号が灯るのは間違いない。

ナビスコカップ 予選リーグA組第三節 浦和レッズ対アルビレックス新潟

リーグ戦では開幕ダッシュに失敗し、一時は最下位に甘んじていた浦和であるが、ここ五試合で3勝2分けと調子を取り戻し、気持ち良くナビスコカップに突入した。

ナビスコカップでは、予選リーグ2試合を終えた時点で全勝の単独首位と調子が良いだけに、早々と予選突破を決めて若手を起用したいところ。

一方の新潟は、1勝1敗で大宮と並んでいるだけに、浦和に勝って折り返しを迎えたいところだ。




□■□■□■□■□■□■□■結果□■□■□■□■□■□■□■


                合計 2 - 1


                前半 1 - 0
浦和レッズ                         アルビレックス新潟
                後半 1 - 1


□■□■□■□■□■□■□■採点□■□■□■□■□■□■□■



浦和レッズ


23 都築 龍太 6.5 PKは止められなかったが、新潟のファーストシュートである本間のミドルシュートを防ぐなど、好セーブを連発。相手FWの船越の大きさをケアして、セットプレーではパンチングを多用してピンチを凌いだ。


3 アルパイ 6 PKを与えてしまったので採点が低くなったが、相変わらずの安定感で船越をシャットアウト。攻撃にも積極的に加わり、存在感を見せつけた。


20 堀之内 聖 7 最後まで集中を切らさずにラインをまとめた。上背はないものの、競り合いでも負けず、的確な読みと素早いカバーリングでほとんど危ないシーンを作らせなかったのはお見事。


19 内館 秀樹 7 相手が3トップだったこともあり、少々守りづらかったはずだが、平川と連携して、相手右ウィングの海本幸を完全に押さえ込んだ。攻撃参加も積極的に行い、相手を混乱させた。


6 山田 暢久 7 センタリングは少なかったが、中にえぐるドリブルで相手を翻弄。ドリブルからのシュートの決定力が上がれば尚良し。そのためには左足の技術をあげることが大事。


13 鈴木 啓太 7.5 前の試合のミドルシュートは入らなかったが、アシストになったことが自信に繋がったか。今日はシュートも決めて、いよいよ上り調子。パス回しも危なげなく、ディフェンスでのファーストアタックも良くできていた。


17 長谷部 誠 7.5 ドリブラーが多い浦和の中で、中盤で変化をつけれる数少ない貴重な存在として際立っている。永井への幻のアシストや、田中達也へのスルーパスなど、相変わらずの視野の広さとパスセンスを披露。守備もこなしているだけに、文句のつけようがない。


14 平川 忠亮 7 久しぶりの先発となったが、そのブランクを全く感じさせない出来。左サイドを縦横無尽に駆け上がり、鋭いクロスを連発。後半は少し守備に回る時間が多かったが、相手の右サイドを完全に抑えた。


9 永井 雄一郎 7 幻のゴールは少々かわいそうだったが、惜しいシュートを何本も打ち、調子が上がってきているのが良くわかる。終了間際の時間稼ぎのキープは、永井にしかできない得意技である。


11 田中 達也 6 決定的なシュートを3回も外すなど、まだまだ本調子にはほど遠いのか。一点目はたまたまエメルソンのところに転がったが、フォワードならあれを決めるべき。コンビネーションは素晴らしく機能していたので、後は決定力。


10 エメルソン 8 1得点1アシストで、今日のMVP。啓太の2点目をお膳立てしたフリーキックは入ってもおかしくなかった。あれは相手の野沢を褒めるしかないだろう。調子の悪いときに見られる、意味のない仕掛けやボールキープが全くなく、本調子に戻ってきた兆しが感じられる。エメルソンが点を取れば、レッズはそうそう負けないだろう。


34 エスクデロ 5.5 16歳でのトップデビューとなったが、交代のタイミングが悪すぎたか。2-0から1点取られ、相手の押せ押せムードになってしまったところでの出場だったため、ボールにあまり触れなかった。せっかく回ってきたボールも、あまり効果的な攻撃には繋げられなかった。ほろ苦いデビューとなったが、まだ若いので、これからが楽しみだ。



アルビレックス新潟


選手が良くわからなかったので省略。

□■□■□■□■□■□■□■総評□■□■□■□■□■□■□■


前半は浦和の独壇場。

去年の2ndステージ覇者らしい横綱相撲で、シュート本数は、なんと新潟の2本に対して浦和は16本。

それだけ浦和の攻撃する時間が長かったということだろう。

凄まじい攻撃力であった。

圧倒的な浦和の攻勢により、新潟の守備陣はズルズルとラインを下げていったが、長谷部と鈴木啓太の二人のボランチが、左右に上手くパスを散らすことによって相手を引き出し、そこから攻める形はお見事の一言だった。

両サイドの平川と山田が高い位置を取ることによって、内館とアルパイの前に大きなスペースができ、二人が攻撃参加できる状態が長く続いたため、浦和の攻撃に厚みが増したのだろう。

しかし、数ある決定的なチャンスを決めきれず、前半を1-0で折り返したのは勿体ない。

1-0というスコアは、1点取られれば圧倒的に追う側が有利になってしまう点差である。

相手の追撃を振り切るためにも、もう1点取っておきたかったところだ。

事実、後半は少し息切れをし、中盤が間延びして相手に反撃のチャンスを与えてしまった。

追加点を取って2-0としたのに、1点取られてからは、完全に新潟のペースで試合が展開していた。

せっかくの勝ち試合が、PKというくだらない失点で危ういものになってしまったことを肝に銘じ、次節に望んでもらいたいものだ。



アトランタオリンピック代表キャプテンで、元日本代表の前園真聖が引退

前園引退。

この4文字を見るだけで、一つの時代が終わりを告げたと感じるのは私だけだろうか。

アトランタオリンピックであのブラジルを破り、マイアミの奇跡と言われた日本勝利の立役者がピッチを去った。


前園は、小学校2年のときに、地元の東郷サッカー少年団でサッカーを始めたが、その後進学した中学校にはサッカー部がなく、陸上部兼サッカー同好会に所属して、ひたすら腕(足!?)を磨いた。

高校は、全国でも強豪の鹿児島実業に進学し、なんと1年からレギュラーとして活躍。

2年次には、高校選手権準優勝も経験した。

そしてJリーグ開幕前の1992年、卒業と同時に、鳴り物入りで横浜フリューゲルスに入団。

Jリーグ開幕当初からレギュラーとして活躍し、94年には、当時代表監督だったファルカンに見出され、若干二十歳でA代表にも選出されるなど、将来が嘱望された攻撃的MFである。


しかし、96年にJリーグベストイレブンに選ばれた後、ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)に移籍してからは、ベンチを温める機会が多くなった。

そのため、シーズン途中でブラジルのサントスFCに移籍するが、ここでも思うような出場機会に恵まれず、ゴイアスFC(ブラジル)に移籍を決意。

その後は、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ1969、安養LG(韓国)、仁川ユナイテッドFC(韓国)と、日本、韓国を渡り歩いた。

そして、今年はセルビア・モンテネグロのOFKベオグラードのトライアウト(入団テスト)を受けていたが、1ヶ月のテスト期間の間に良い返事がもらえず、自ら引退を決意した。

まだ31歳だが、これからは指導者や解説者として、後輩の指導にあたっていくとのこと。

ゾノのドリブルを引き継いだ、「ゾノ二世」の出現が待ち遠しい。




しかし、あれだけの成績を残した前園が、なぜ消えていってしまったのか。

私が思うに、元ガンバ大阪の磯貝や、元ヴェルディ川崎の石塚も、前園と理由を同じくして、消えていった選手だと思う。

三人とも、オフェンシブミッドフィルダーの選手で、いわゆるトップ下のポジションを得意とするプレイヤーだ。

彼らに足りなかったものとはなんなのだろうか。




現代サッカーは、前線と最終ラインをコンパクトに保ったプレッシングと、システマチックに固められたディフェンスが最大の特長で、攻撃側のパススペースは限定され、なかなか思うようなスルーパスが出せなくなっている。

おまけに、パスが出せないからといってドリブルをすれば、たちまち相手選手に囲まれてボールを失ってしまうのだ。

そのため、攻撃する側は、比較的プレッシングの弱い両サイドからの攻撃を強いられることになり、サイドからのアタッキングサッカーが主流となっていったというわけである。

その影響で、ドリブルやスルーパスを仕事とするトップ下というポジションが影を薄め、代わりにセントラルミッドフィルダーやレジスタと呼ばれる、パスを両サイドに散らすタイプの中盤が好まれるようになった。

前園が、自分の居場所に苦しんだ原因がこれである。

磯貝や石塚も同様だと私は思う。


もちろん、トップ下というポジションは今尚健在で、世界的に見ても、ロナウジーニョやジダン、カカやルイ・コスタなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいるのは、皆さんもご存知の通り。

だが、トップ下というポジションは、昔に比べるとサイドに流れることが多くなり、そこから攻撃を組み立てるのが一般的となっているのも事実だ。

ジダンもロナウジーニョもルイ・コスタも、左サイドに流れる場合が非常に多いし、日本代表で言えば中田英寿もそのタイプだ。

右利きの選手は、総じて左サイドに流れるタイプの選手が多いようだが、これは、左サイドで右足を使ってボールを持つと、フィールド全体が見やすくなる上に、センタリングはおろか、シュートもスルーパスまでもが狙えるようになるからだろう。
彼らは、自分のプレーが一番輝く場所を知っているのである。


では、前園にはそれがないのか、と言われれば、そんなことはない。

彼のドリブルは、アトランタオリンピックでも十分通用していた。

優勝したナイジェリア、3位だったブラジルと同グループに入った日本だったが、世界の強豪国相手に、2勝1敗と勝ち点で並び、惜しくも得失点差争いで敗れたサムライたちの中心はまさしく前園だった。

果敢にドリブルで突っかけていくその姿は、日本人の技術もここまで上がったのかと感動したほどだ。


前園が消えた理由は技術ではない。

ジダンや中田にあって、前園にないもの。

それは、守備意識だろう。

プレッシングサッカーが主流の現代サッカーにおいて、守備をしない選手は使い物にならない。

フィールド全体を均等に守るには、選手の誰一人として、ディフェンスをさぼってはいけないのだ。

誰か一人が手を抜くと、鉄壁だった包囲網に小さなほころびができてしまう。

ほころびはやがて大きな穴となり、その穴は致命的な痛手を負うほどの大きさになるだろう。

例え天才的なボールテクニックを持った選手だとしても、ボールに触っていなければただのフィールドプレイヤーと同じである。

守備をさぼっても良いという理由はどこにもない。


下手くそでも良いのだ。

チームのために動き、チームのために守るのが、必要とされる選手なのだ。

今の日本代表で言えば、三都主が良い例である。

三都主は、守備は下手だが良く動く。

上下に長い距離をひたすら走り、時には最終ラインのカバーリングだってする。

あれだけ一生懸命守られては、監督もちょっとやそっとのミスでは代えられないだろう。

前園にはそれがなかった。

気づかなかったのか、直そうとしなかったのかはわからないが、もし指導者になるのであれば、守備ありきの指導をしてもらいたいものだ。

ユベントスの日本ツアーに柳沢が参加

シーズンオフに、日本ツアーを計画しているユベントスであるが、そのユベントスと一緒に柳沢が帰ってくるらしい。

何でも、以前から柳沢に興味のあったカペッロ監督が、メッシーナ側の了承を得て、ツアーに帯同させることにしたそうだ。

つまり、期間限定で、ユベントスの柳沢が見られるということである。



今までにこんな話は聞いたことがないが、ユベントス陣営とカペッロ監督は、なかなかに面白いことを考えたものだ。

カペッロの本心はわからないが、もし本当に柳沢を獲得する意思があるとすれば、自分のチームと戦術に、柳沢がどれだけフィットするかを確かめる絶好の機会である。

本来、移籍には、新しい選手が新しいチームに慣れるための時間と努力が必要で、所属チームを変えるということは、多かれ少なかれ、それ相応のリスクが伴うものだ。

そのため、活躍を見込まれて移籍をしたにも関わらず、結局馴染めずに、鳴かず飛ばずでチームを離れるケースも少なくない。

ところが、今回の帯同は、それらのリスクを取り払う絶好の場と為り得るのである。

何日間一緒に行動するのかはわからないが、練習にも混ざるだろうし、オフの時間もチームメイトと一緒に過ごすかもしれない。

もちろん、試合で柳沢を試す機会も設けられている。

コミュニケーション不足や戦術の消化不良、はたまた起用法の是非など、移籍後の悩みを心配する必要はほとんどなくなるだろう。

柳沢にもユベントス側にも、これ以上旨みのある話はないのではないだろうか。



これだけでも十分過ぎるほどのメリットがあるのだが、今回の目的はそこにはないだろう。

メッシーナでベンチを温めることが多く、絶対的なレギュラーにはなれていない柳沢を、ユベントスが欲しがるのはどう考えてもおかしい。

この話にはもっと凄い旨みが隠されている。

それは、紛れもなく興行収入だろう。

欧州のチームが日本遠征にやってくるときには、必ずと言って良いほど裏にビジネスが絡んでいるものだが、今回の話にも、その匂いを限りなく感じるからだ。

ユベントスが単身で乗り込んできても、十分な収入を得られるだろうと私は思うのだが、どうせならもっと儲けたい、と思うのがフロント側の本音か。

そこで、日本で人気のある柳沢に白羽の矢を立てたのだろう。

柳沢をユベントスの一員としてプレーさせることによって、その姿を一目見たいファンたちが、スタジアムに殺到することは容易に想像できる。

仮に今後、柳沢がユーべに移籍したとしても、日本でそのプレーが見られる保証はどこにもない。

一生に一度あるかないかのチャンスを巡って、激しいチケット争奪戦が繰り広げられることは間違いない。

しかも、柳沢が着たユニフォームのレプリカや、ユベントス仕様の柳沢グッズも販売することができるのだ。

こんなものが発売されたりしようものなら、限定品好きの日本人は、こぞってショップに足を運ぶことうけあいである。

さらに、柳沢目当てで試合を見に来た日本人が、ユベントスファンになることも十分考えられる。

本場イタリアセリエAへの観戦ツアー、チームグッズの売れ行きなど、今後に繋がる可能性も盛りだくさんだ。

ただ、一サッカーファンとしては、セリエAで優勝した、本物のユベントスを見せて欲しい。

世界最高峰のプレーをすれば、ファンを魅了することは十二分にできるはずだ。




とまぁ色々述べたが、今回の目的が、柳沢獲得へのプロローグであって欲しい。

もし本当に柳沢がユーベに移籍するようなことがあれば、第二、第三の柳沢が増えてもおかしくない。

レアルと一緒に大久保が凱旋帰国、なんて見出しの記事が、スポーツ新聞を賑わすようになるかも。