サッカーを教えることの難しさ | 蹴球会議(レッズサポの独り言)

サッカーを教えることの難しさ

さて、第一回目の内容として、「指導者」について考えてみた。


現在、日本全国に、「少年団(※1)」と呼ばれるサッカークラブは約5500もあるそうだ。
多分、ほとんどの子供たちが、この「少年団」と呼ばれるクラブチームで、個々の人生におけるサッカーのキャリアというものをスタートさせているはずである。
もちろん、少なからず例外はいるだろう。
しかし、そういった子供たちも、どこかしらのカテゴリー(※2)、例えば中学校や高校等で、少年団出身の子供たちと一緒にサッカーを学び、切磋琢磨し合って、己の技術を磨いていっているはずである。
そう考えると、日本サッカー界の底辺は、この「少年団」というものに集約することができるのではないだろうか。


ところが、かなりの数の子供たちが、サッカーを学ぶために組織に入っているのにも関わらず、肝心のサッカーについてはほとんど何も教えてもらっていない、ということが現状である。
一つ上のカテゴリー(U-15)にいる選手たちに、少年団で何を習ったかを聞いてみると、大抵の子供たちは、そんなことしか習っていないのか、というような回答をしてくるのだ。
これでは、日本サッカーのレベルの底上げはなかなか難しい。


私は少年団でコーチをしていた経験がある。
私が教えていたチームは、区で3部に所属しているような弱小チームだったし、選手のレベルも高いものではなかった。
学校のグラウンドはハンドボールコート一面しか取れないし、使用時間も一日2時間と決められていた。
とても満足にサッカーを教えてあげられる環境ではなかった。
しかし、それを言い訳にしていては、いつまでたっても強いチームは作れない。
何より、子供たちに悪い。
子供たちの貴重な時間を、私の緩慢な指導で無駄にすることなど考えられなかった。
短い時間と狭いグラウンドで、いかに効率良く子供たちにサッカーを教えるか。
それが私の命題であった。



(※1)少年団 スポーツ少年団のことで、サッカーに限らず、野球やソフトボール、バスケットなどを教えている少年団もある。

(※2)カテゴリー サッカーでは、各年代ごとに日本代表というものがあって、その年齢ごとに分類された群のことをカテゴリーと呼ぶ。フル代表、U-23、U-20、U-18、U-15、U-12が一般的。ここのUはアンダーという意味。



>続く