ユベントスの日本ツアーに柳沢が参加
シーズンオフに、日本ツアーを計画しているユベントスであるが、そのユベントスと一緒に柳沢が帰ってくるらしい。
何でも、以前から柳沢に興味のあったカペッロ監督が、メッシーナ側の了承を得て、ツアーに帯同させることにしたそうだ。
つまり、期間限定で、ユベントスの柳沢が見られるということである。
今までにこんな話は聞いたことがないが、ユベントス陣営とカペッロ監督は、なかなかに面白いことを考えたものだ。
カペッロの本心はわからないが、もし本当に柳沢を獲得する意思があるとすれば、自分のチームと戦術に、柳沢がどれだけフィットするかを確かめる絶好の機会である。
本来、移籍には、新しい選手が新しいチームに慣れるための時間と努力が必要で、所属チームを変えるということは、多かれ少なかれ、それ相応のリスクが伴うものだ。
そのため、活躍を見込まれて移籍をしたにも関わらず、結局馴染めずに、鳴かず飛ばずでチームを離れるケースも少なくない。
ところが、今回の帯同は、それらのリスクを取り払う絶好の場と為り得るのである。
何日間一緒に行動するのかはわからないが、練習にも混ざるだろうし、オフの時間もチームメイトと一緒に過ごすかもしれない。
もちろん、試合で柳沢を試す機会も設けられている。
コミュニケーション不足や戦術の消化不良、はたまた起用法の是非など、移籍後の悩みを心配する必要はほとんどなくなるだろう。
柳沢にもユベントス側にも、これ以上旨みのある話はないのではないだろうか。
これだけでも十分過ぎるほどのメリットがあるのだが、今回の目的はそこにはないだろう。
メッシーナでベンチを温めることが多く、絶対的なレギュラーにはなれていない柳沢を、ユベントスが欲しがるのはどう考えてもおかしい。
この話にはもっと凄い旨みが隠されている。
それは、紛れもなく興行収入だろう。
欧州のチームが日本遠征にやってくるときには、必ずと言って良いほど裏にビジネスが絡んでいるものだが、今回の話にも、その匂いを限りなく感じるからだ。
ユベントスが単身で乗り込んできても、十分な収入を得られるだろうと私は思うのだが、どうせならもっと儲けたい、と思うのがフロント側の本音か。
そこで、日本で人気のある柳沢に白羽の矢を立てたのだろう。
柳沢をユベントスの一員としてプレーさせることによって、その姿を一目見たいファンたちが、スタジアムに殺到することは容易に想像できる。
仮に今後、柳沢がユーべに移籍したとしても、日本でそのプレーが見られる保証はどこにもない。
一生に一度あるかないかのチャンスを巡って、激しいチケット争奪戦が繰り広げられることは間違いない。
しかも、柳沢が着たユニフォームのレプリカや、ユベントス仕様の柳沢グッズも販売することができるのだ。
こんなものが発売されたりしようものなら、限定品好きの日本人は、こぞってショップに足を運ぶことうけあいである。
さらに、柳沢目当てで試合を見に来た日本人が、ユベントスファンになることも十分考えられる。
本場イタリアセリエAへの観戦ツアー、チームグッズの売れ行きなど、今後に繋がる可能性も盛りだくさんだ。
ただ、一サッカーファンとしては、セリエAで優勝した、本物のユベントスを見せて欲しい。
世界最高峰のプレーをすれば、ファンを魅了することは十二分にできるはずだ。
とまぁ色々述べたが、今回の目的が、柳沢獲得へのプロローグであって欲しい。
もし本当に柳沢がユーベに移籍するようなことがあれば、第二、第三の柳沢が増えてもおかしくない。
レアルと一緒に大久保が凱旋帰国、なんて見出しの記事が、スポーツ新聞を賑わすようになるかも。