日本協会が、怪我の高原の代わりに柳沢を追加召集
高原は重症だった。
21日のブンデスリーガ最終戦で、左太もも裏の肉離れを起こし、負傷退場した高原。
当初、チームドクターの発表では、肉離れは軽症で、全治2週間くらい。
ワールドカップアジア最終予選には出場可能、という診断だった。
しかし、帰国した高原は、左足を引き摺って歩いていた。
帰国後すぐに日本代表に合流した高原だが、24日午前の日本代表チームドクターによる診察で、左ハムストリング肉離れの重症と診断された。
完治にかかる日数は明言されなかったが、日本サッカー協会(JFA)が代わりに柳沢を召集したことで、最終予選は絶望的と判断して良いかもしれない。
しかし、柳沢が召集されたことは、個人的に非常に残念だと思う。
以前にも書いたが、柳沢は、ユベントスに帯同して日本ツアーに参加するはずだった。
ユーべの柳沢が見れる一生に一度の大チャンスかもしれないのだ。
柳沢にとっても、名門ユベントスに移籍できるかもしれない絶好のアピールの場。
その機会を逸してしまったのは、やはり勿体ないとしか言いようがない。
しかし、そんなことよりも、何故柳沢なのか、と声を大にして言いたい。
柳沢が所属するメッシーナは、セリエA残留を早々と決めていて、リーグ戦残り一試合は消化試合である。
そのため、試合にあまり出ていない柳沢を代表に召集することは、比較的容易である。
3月25日のイラン戦でも、鈴木の怪我によって追加招集されたのは柳沢だった。
肝心の試合にも後半途中から出場して、好プレーを披露したことは記憶に新しい。
だが、もっと結果を出している選手がいるではないか。
ご存知大久保である。
ここ2試合で7得点したマジョルカであるが、そのうちの2点が大久保自身によるゴールで、アシストも3つ記録している。
つまり、7点中5点に大久保が絡んでいることになるわけだ。
この結果だけを見れば、絶対に召集されるべき存在であることは確かだ。
だが、ジーコは呼ばなかった。
JFA曰く、大久保は、まだジーコの信頼を回復するまでには至っていないようだ。
一体どれだけの活躍をすれば、ジーコの心を動かせるのだろうか。
去年、J 2降格というがけっぷちにいたセレッソ大阪を残留させたのは大久保である。
今年、2部に降格確実とまで言われたマジョルカを、残留圏内に引き戻したのも大久保である。
得点力不足に悩む日本の救世主として、ジーコが今一番欲しいタイプの選手が大久保ではないのか。
仮に使わないとしても、その活躍を聞いて、調子を見るために代表に呼んでも良いように思う。
もしかしたら、マジョルカのチーム事情を考慮して呼ばなかったのかもしれないが、スペインリーグは、29日に最終戦が終わる。
次の日に急いで合流すれば、少なくとも7日の北朝鮮戦には間に合うだろう。
少々日程的には辛いものがあるが、スタメンで起用しなくても、ジョーカーとしてベンチに置いておくこともできる。
会見で代表の得点力不足を嘆く前に、大久保の動きを自分の目で直接スカウティングしてみる行動力が、ジーコには必要なのではないだろうか。