ナビスコカップ 予選リーグA組第4節 浦和レッズ対ヴィッセル神戸
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合計 1 - 0
前半 0 - 0
浦和レッズ ヴィッセル神戸
後半 1 - 0
□■□■□■□■□■□■□■採点□■□■□■□■□■□■□■
浦和レッズ
23 都築 龍太 6.5 相手のシュートがほとんど飛んでこなかったため、決定的なシュートを止めたりといった目立った活躍はなかったが、危なげないプレーで勝利に貢献。無失点に抑えることで、次の試合に向けて気持ち良く終えることができた。
3 アルパイ 7 イエローカードをもらってしまったため、次節は出場停止となってしまった。そのために少し採点は低いが、それ以外はハイレベルなプレーを持続。ヘディングや一対一の強さもさることながら、攻撃への貢献度が高く、正確なロングフィードや効果的なオーバーラップで、相手を混乱させた。ゴール前で決定的なシュート場面を迎えるなど、攻撃参加に新しい驚きを加えた。
20 堀之内 聖 7 すっかりセンターに定着したか。闘莉王とは一味違った守り方でラインを統率。競合いには不安が残るが、技術を生かしてクリアを味方に繋げるプレーは、チームに安心感を与えている。攻撃参加もできるようになってきており、まだまだこれから伸びる要素があるのが頼もしい。
19 内館 秀樹 7 平川との相性が良いのか、なかなかに攻撃参加のタイミングが上手い。足元の技術に不安が見えるものの、そのタイミングの良さでボールを失うことがないのは高評価。無失点に抑えて、守備陣は大満足。
6 山田 暢久 6.5 後半途中に退いたが、それまで自分の仕事をきっちりこなしていた。最近は縦にいく動きよりも、中に切れ込むドリブルが多くなってきているので、縦に抜けてセンタリングを上げる姿が見たい。中に切れ込むならば、左足で打てるタイミングのときにシュートを打つべきだろう。
13 鈴木 啓太 7 少し攻撃のときにミスがあったが、相変わらず守備は上手い。レッズの守備の要は、間違いなく啓太だろう。中盤での献身的なプレス、両サイドのカバーリングなど、献身的にこなした。毎回のことだが、ドリブルを練習すれば、もう少し攻撃に参加できるはず。
17 長谷部 誠 7.5 決勝ゴールをアシストした岡野への、長距離スルーパスは圧巻の一言。インステップでバック回転をかけ、岡野が追いつくギリギリのところにボールを落とした。フリーキックも蹴って、ますますチームの主軸に収まりつつある。
14 平川 忠亮 7 前の試合に続いてのスタメン。内館のためにスペースを作る、フリーランニングの動きを精力的にこなしているところが良く目立った。平川が高い位置に上がることにより、相手のサイドハーフも下がらざるを得なくなり、内館が容易にボールをもてるため、攻撃に厚みが増した。
9 永井 雄一郎 6.5 ドリブルテクニックで幾つかのサプライズを演出したが、少し周りとあっていないところが目立った。平川へのスルーパスなども、コンビネーションの問題だろう。ただ、決定機を作る能力にも磨きがかかっているので、これからの飛躍に期待。
11 田中 達也 6 途中で横山と交代させられたのでプレー時間は長くはなかったが、消えている時間があって、少々印象に欠けるか。まだまだベストフォームには程遠いのか、シュートが入る気がしない。予選リーグが終わるまでに修正して欲しい。
10 エメルソン 7.5 今日のMVPはまたしてもこの男。後半ロスタイムに劇的な勝ち越しヘッドを決めて、ナビスコカップでは4試合連続ゴール。前半を0-0で折り返したことでイライラしたのか、後半始めは自己中心的なプレーに走ったが、徐々に落ち着きを取り戻したのは成長の証か。ただ、勝ち越しヘッドの前にも、ヘッドで得点するチャンスはあった。そこを決めれるようになれば、真のエースの誕生となるだろう。
27 横山 拓也 時間が短く採点できず。
30 岡野 雅行 時間が短く採点できず。エメルソンのゴールをアシストしたセンタリングは見事だった。
ヴィッセル神戸
選手がわからないため、採点できず。
□■□■□■□■□■□■□■総評□■□■□■□■□■□■□■
ナビスコカップは、ジュビロ磐田と横浜F・マリノスが、アジアチャンピオンズリーグに出場している関係で、予選免除となる。
そのため、予選リーグを勝ち抜けるチームは6チームしかない。
A~Dの各組のうち、1位は自動的に決勝トーナメントが決まる。
そして、各組2位のうち、勝ち点の多い上位2チームにも決勝トーナメント行きの切符が与えられるという仕組みだ。
予選リーグA組第4節は、ここまで3連勝の浦和レッズと、3連敗のヴィッセル神戸の戦いとなった。
この試合に勝てば、ほぼ決勝トーナメント進出が決まる浦和。
一方、予選敗退がほぼ決まったかに見える神戸も、3連勝で奇跡の予選突破に一縷の望みを繋ぎたいところ。
前半の立ち上がりから浦和ペースで試合は進む。
両サイドの平川と山田が高い位置に張って、サイドから崩しにかかる。
両サイドハーフが上がったスペースを、内館とアルパイが積極的に使って攻撃参加するものの、二人とも効果的なクロスを上げることができず、試合はこう着状態へ。
神戸の攻めには脅威を感じることはなかったが、浦和のほうも主導権を握りながらも決定機を作ることができなかった。
ボール支配率で勝りながらも、点が取れないという今の浦和の状況は、今年のJリーグ開幕当初に似ている。
あの頃はディフェンス陣も安定せず、勝てない試合が続いた。
見ているこちら側からすれば、フラストレーションの溜まるもどかしい内容ばかりだった。
しかし、ここ最近で、堀之内がすっかり守備の要に定着し、闘莉王がいない中でもラインに穴がなくなった。
6試合で1失点、しかもその1点はPKと、数字に関しても大満足だ。
守備が安定してきたことにより、攻撃陣も攻めることに専念できる下地ができたのは間違いない。
この試合でも、後ろがしっかりしてきたことで、後半はリスクを冒した攻めにも勢いがでていた。
しかし、後半開始後しばらくは、エメルソンの悪い癖が出て攻撃にリズムがない浦和。
エメルソンは、得点のチャンスがなかなか生まれない膠着状態になったとき、ボールを持ちすぎる悪い癖がある。
簡単に後ろに下げて試合を作り直せば良いのに、ドリブルで相手を抜こうとして取られることがあまりに多い。
そこからのカウンターで何度かピンチを迎えたが、その危機を難なく乗り切った浦和は、再び攻勢に出た。
後半途中で、チャンスで決められない深刻な病に陥っている田中達也を早々に諦め、期待の若手横山を、そして右サイドには山田に代えて岡野を投入したブッフバルト監督。
この起用が見事に当たり、プレー時間は短かったものの、岡野が結果を出した。
レッズファンの誰もが引き分けを覚悟した後半ロスタイム。
自陣のペナルティエリア付近からドリブルを開始した長谷部が、右サイドを駆け抜けた岡野に、素晴らしい長距離スルーパスを出し、それを受けた岡野が絶妙のセンタリングを中に上げた。
中では、一旦ディフェンスの前に入ろうとしたエメルソンが、後ろにひいて巧みにマークを外し、フリーでヘディングをネットに突き刺した。
これでナビスコカップ4連勝が決まった浦和。
他チームとの兼ね合いもあるが、ほぼ予選リーグ勝ち抜きを決めた形となった。
次節は、大宮アルディージャでのアウェー戦だが、若手を中心にした布陣で臨むのか、それともベストメンバーで闘うのか。
埼玉ダービーだけに、ベストな布陣で闘って欲しいものだ。