キリンカップ2005 日本対UAE
□■□■□■□■□■□■□■結果□■□■□■□■□■□■□■
合計 0 - 1
前半 0 - 0
日本 UAE
後半 0 - 1
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日本
23 川口 能活 5 失点場面は、明らかに相手のシュートテンポを読みきれていなかった。シュートの威力は弱く、ゴロだったのだから、きっちり止めて欲しいところだ。調子の良いときの川口であれば、あのテンポに対応してきっちり止めていたはず。まだまだ改善の余地あり。
2 田中 誠 5 最近はすっかり右のセンターバックに定着して、そつなくこなしている。この日も特に目立ったミスもなく、無難な出来。攻撃参加が少ないのが修正点か。加地を追い越してボールをもらえるようにしたい。
5 宮本 恒靖 4 失点シーンは、相手FWに坪井と田中の二人がマークについていたため、宮本一人が最終ラインを形成するという失態をおかした。スルーパスを出されたのも、宮本が左のスペースを埋めていなかったから。あそこは田中にマークをまかせ、坪井と二人で最終ラインを形成し、二人の距離感を縮めるのが普通だろう。ディフェンスラインを低くしすぎて、中盤が間延びする原因にもなっていた。相変わらず一対一も弱く、競り合いで負けたりドリブルで抜かれたりで不安が拭いきれない。
26 坪井 慶介 4 失点シーン以外はきっちり抑えていたが、相手FWに田中と二人でプレッシングにいくという最大のミスをした。いつもの坪井なら、それでも持ち前のスピードできっちりカバーに間に合ったはず。後半になると動きが落ちるのが目に見えてわかるので、まだまだ代表に呼ぶのは早いだろう。
14 三都主 アレサンドロ 5.5 前半は高い位置をキープして、小笠原とのコンビネーションで何度も崩していたのだが、後半は4バックにしたため、少し攻撃参加がなりを潜めたか。三都主のサイドバックは、アーリークロスを上げれる回数が増えることは凄く良いことなのだが、サイドハーフを飛び越えてボールをもらう回数が少ないのが難点だ。
15 福西 崇史 5 小野とのコンビを久しぶりにみたが、見事に影に徹していた。福西の良いところは、シンプルで無理をしないところなのだが、無理をしないことが逆に攻撃のテンポを遅らせている原因にもなっている。少し後ろに下げる回数を減らしたほうが良い。失点シーンは、福西がさぼっていたことによって生まれたと言っても過言ではないので、きっちりプレスをかけてほしい。
8 小笠原満男 5.5 三都主とのコンビが成熟してきたようだ。前半は二人で何度もサイドをえぐってチャンスメーク。後半は4-4-2のボックスになったために、三都主との絡みが少なくなってしまったが、4バックに変えた後も同じようなプレーを続けられれば、レギュラーの道も近くなるはず。
18 小野 伸二 7 完全にチームの主軸としてプレーしていた。ボランチとして攻撃を組み立てていたかと思えば、小笠原とポジションチェンジをしてトップ下の位置まで上がり、積極的にシュートやラストパスを繰り出していた。後半、4バックにして本山と稲本が入ってからは、中盤4人全員が同い年でユース年代から一緒にプレーしていたこともあり、コンビネーションもぐっと良くなった。
21 加地 亮 5.5 ペルー戦の三浦淳のプレーに刺激されたか、プレーエリアがいつもより横に広かった。4-4-2のサイドハーフに近い動きをしていて、ボランチとトップ下のカバーリングもできていたのが好印象だった。だが、攻撃のときは縦一辺倒が変わらず、向上する余地はたくさんある。
11 鈴木 隆行 5 チェイシングしてボールを取ってしまうのはさすがだが、前を向く動きが少ないのはやはり不満。次戦も先発が濃厚なだけに、シュートで終わるという意識を持ってプレーしてもらいたい。
31 大黒 将志 5.5 前を向いてボールをもらう動きが、小野や小笠原のパスセンスを引き出していて好印象。だが、つまらないミスが多く、まだ満足いかない出来か。シュートの意識はすごく良いので、後はその回数を増やすだけ。
28 玉田 圭司 5 スピードを生かしたドリブルで一度チャンスを作ったが、それ以外は目立った動きなし。左側を向いてプレーすることが多く、右サイドを有効に使えるようになれば、もう少し相手を混乱させることができるのだが。
19 本山 雅志 5.5 後半途中からの投入だったが、小野、小笠原との相性の良さを改めて実感させた。4-4-2のボックス型の中盤は、小笠原とともにチームでやっているので、サイドに開いたり小笠原と小野とポジションチェンジをしたりして、相手の中盤を混乱させた。
25 茶野 隆行 時間が短く採点できず。
29 稲本 潤一 時間が短く採点できず。
UAE
選手がわからず採点できず。
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試合前に、UAE戦に向けての課題や意識の統一を見直した日本代表。
しかし、会見でジーコの口から発せられた言葉は、自分達のサッカーを壊してまで相手に合わせるという、今までの試合では一度も見たことのない消極的で守備的な試合展開。
守備的に戦う日本が、カウンターを得意とする相手にどうやって戦うのか、この試合はそのテストマッチとなった。
対するUAEは、2006年のワールドカップ出場の夢をすでに絶たれ、2010年に向けてのチーム強化を図っている最中だ。
その第一歩がこのキリンカップである。
ペルーと引き分けたため、日本に勝てば優勝が決まることもあって、この試合に対する意気込みは高い。
試合開始から、日本が主導権を握る。
加地が中に絞りながらディフェンスをしたり、福西と小野がラインを揃えたりと、守備の際には最善の注意をして相手のカウンターにそなえた。
小野と小笠原は、ワールドユースの頃からボランチとトップ下という関係でプレーをしており、連携は抜群だった。
ときどきポジションチェンジをしながら相手ディフェンスを崩し、決定的なパスを連発。
小笠原と三都主のコンビネーションもかなり良くなり、左サイドの攻防は完全に日本のものだった。
しかし、相手もときどき見せるカウンターは脅威で、そのたびに日本のディフェンスは慌てていた。
宮本は、相変わらずラインをずるずると下げ、つられてボランチの二人とサイドハーフも後ろに下がり、あっという間にペナルティエリア付近に相手の侵入を許すという消極的なディフェンス。
試合前のジーコの会見が裏目に出ているのが手に取るようにわかる。
前半は日本がおしていたものの、決定的なチャンスはUAEのほうが多かっただろう。
後半は中盤が間延びして、相手の攻撃もカウンターというよりは遅攻になり始めていた。
中盤のプレスが甘いために、簡単にサイドチェンジを許し、加地と三都主が守備に奔走させられる。
失点のシーンは、福西のプレスが甘かったために相手フォワードにくさびのパスが入ってしまい、しかもそのフォワードに田中と坪井の二人がいってしまい、最終ラインが宮本一人になってしまった。
そのため、三都主がそのポジションを埋めに走ったが、相手のほうが先にそのスペースを使い、失点へと繋がった。
失点後は、4-4-2のボックス型へとシステムを変更して、1点取りに出る。
玉田、本山、稲本と攻撃の選手を次々に投入した。
本山が入ってからは、小笠原、小野と3人で、激しいポジションチェンジを繰り返し、完全に中盤を支配し、得点への期待が高まるが、フィニッシュまでが遠く、同点弾は生まれなかった。
大黒が一番得点の期待を感じたが、最高の決定機を外したのも大黒だった。
Jでのパフォーマンスを見られるのは、もう少し先なのだろうか。
守備的にいくと宣言したジーコ監督。
この結果を受けて、バーレーン戦をどう戦うのだろうか。
結果が出てくれたのならば、それをそのまま次の試合に生かせば良いのだが、最悪の結果となってしまっただけに、深い迷路に迷いこんでしまった。
日本の迷走は続く。